シンガポール神秘の島、クス島巡礼をする。
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クス島〜カメの伝説が残る島〜

シンガポール本土から約5.6キロメートル南の場所にクス島という小さな島がある。中国語で「カメの島」を意味するこの島には、昔からカメに関係する沢山の伝説が残っているという。
一番有名な説は、ある1人のイスラム教徒であるマレー人と、ある1人の仏教徒である中国人が共に航海をする話から始まる。2人は航海中に難波してしまい、神に祈りを捧げたところ巨大な亀が2人の前に現れ、なんとその亀が島に姿を変え2人を助けた。それが今のクス島だという。
そうした背景から、毎年陰暦の9月(9〜11月)には沢山の巡礼者がこの島を訪れる。
そして私は、その巡礼シーズンである11月にこの島を訪れた。
ふたつの異宗教が共存する島

そもそも、ひとつの神話的な話に2つの異宗教が仲間として出てくるのって珍しいんぢゃないかな。カメ伝説の背景から、このひとつの小さな島には道教寺院とイスラム寺院がそれぞれ存在する。
道教寺院 (ダ・ボ・ゴン寺院)

1923年地元の商人により建立され、中国の財神が祀られている。財運と病気の治癒、海の安全、家族の健康安全などのご利益があると言われている。

島内には亀の保護区があり、沢山の亀が飼育されている。
中国では亀はとても縁起のいい生き物として古来からとても大切にされてきており、”長寿”や”金運”の象徴とされている。

蓮の花のオブジェの中にお賽銭を投げ入れ、中央にある鐘を鳴らす事ができたら幸運を運んでくれるらしい。
イスラム寺院 (Datok Kong Keramat)

緑生い茂る小高い山の中、152段の階段を登ると現れるイスラム寺院。
通常この島は沢山の観光客がくるような島ではなく、ひっそり静かな場所らしいが、さすが巡礼シーズンだけあって寺院内は沢山の人と騒音でごった返していた。
他民族の文化が混ざり合うシンガポールらしいイスラム教の形

基本的にイスラム教のモスクでの信者の礼拝方法は、床に頭をつけてお辞儀を何度も繰り返すというのを思い浮かべると思うが、ここのイスラム寺院では聖廟の前でまるで仏教寺院のようにお線香を立ててお祈りをする。
さすが多民族国家シンガポール、異宗教同士もそれぞれ影響を受け合って共存しているのだろうか。

寺院内でお祈りをした後に、寺院の男性から4桁のランダムな数字が書かれた紙切れをもらい表にあるご神木(?)の様な場所(写真上)に自分の数字を書き込んだ。詳しい事はよくわからないが、それが自分自身のラッキーナンバーらしい。
こういう占いのような習わしも、戒律に厳格な中東のイスラム圏ではまずない文化だと思うので、これもアジア圏のイスラム教だからこそという印象を受けてとても興味深かった。ちなみに私は、占いとか言霊とか割と信じてる方なので、こういうラッキナンバー的なものはちょっと嬉しい。
おわりに。
巡礼シーズンに訪れたクス島は沢山の参拝者でとても賑やかな印象を受けたが、本来のクス島はあまり観光客の訪れない穴場スポットらしいです。実際ビーチサイドの方は本土の派手やかな印象とは違い、とてもゆったりと静かな時間が流れていました。
シンガポールの有名スポットを沢山訪れるのもいいけど、あんまりみんなが知らない場所にも行ってみたいと言う旅行者の方にはとっておきの癒しスポットになるのではないでしょうか。
クス島の地図
アクセス
MRT(地下鉄)でノースサウスライン(North South Line)で、終点のマリーナサウスピア(Marina South Pier)駅までいきます。マリーナサウスピア駅を降りて駅を出ると、すぐ近くにフェリー乗り場があります。
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